デザイナー相澤陽介さんに聞く、20の質問〜後編〜
ご自身のブランドだけでなく、最近は<UNIQLO>との協業やコンサドーレ札幌のディレクションなど、
多岐にわたって大活躍される<White Mountaineering>デザイナー相澤陽介さんに、
兼ねてから親交のあるFigureバイヤー鈴木庸平がインタビュー。
ブランドのこと、プライベートについて、これからのこと、
フランクに話しあえる間柄だからこそお話いただいた、20のQ&A。
前編、後編の2回に渡ってお届けします。
デザイナー相澤陽介さんに聞く、
20の質問〜後編〜
ご自身のブランドだけでなく、最近は
<UNIQLO>との協業やコンサドーレ札幌の
ディレクションなど、多岐にわたって大活躍される
<White Mountaineering>デザイナー
相澤陽介さんに、兼ねてから親交のある
Figureバイヤー鈴木庸平がインタビュー。
ブランドのこと、プライベートについて、
これからのこと、フランクに話しあえる間柄
だからこそお話いただいた、20のQ&A。
前編、後編の2回に渡ってお届けします。


―提案をし続けるためには強いメンタルが必要になると思うんですが、それって鍛えられるものなのでしょうか?
心を折られた回数が多いほど、強くなるんじゃない? 成功に失敗はつきものだから。


―今やアウトドア系のブランドは超人気ですが、相澤さんはそれをどのように見ているのかなって思って。
すごくいいことだと思っています。でも<White Mountaineering>とはそもそも成り立ちが違うから、競合っていう感覚はないかな。


―ファッションにおけるジェンダーレス化についてはどう考えていますか?
ジェンダーレスという考え方は、ファッションの中では昔からあったと思うんです。僕の友達にもいつもメンズの古着を着ている女性がいて格好いいなって思っていました。性差を問わずにファッションを楽しむということは素晴らしいことだと思っています。先日東京で発表した2022年春夏コレクションではあえて女性モデルだけを起用しましたが、その背景にもそういった想いがありました。


―個人的に大好きなフィービーがカムバックします。業界が沸いていますが、相澤さんも楽しみですか!?
めちゃくちゃ楽しみ。2017年にセリーヌをさった後も、ファッションシーンには彼女の影響が色濃く残っていたからね。きっと数多くのブランドから魅力的なオファーがあっただろうに、そのすべてを蹴って(憶測だけど)シグネチャーブランドをスタートさせるわけだから、なおのこと期待は高まります。さっきのプレッシャーの話じゃないけど、世界中から期待が集まる中で彼女が今どんな心境なのか、気になりますね。


―そしてまさに今日(2021年9月)ですが、NIGO®さんがKENZOのディレクターに就任したというニュースが飛び込んできました。それについてはいかがですか?
ニュースが飛び込んできたとき率直に、すごくいいことだと思いましたね。ブランドというかLVMHグループが今進んでいる方向性にもあっているし、そのベースとなっている原宿のカルチャーからずっと今も一線で活躍しているわけだし、日本人デザイナーがメゾンを務めるのは僕は聞いたことがないのでとても楽しみ。ファッションというのが、スキルの勝負ではないということを証明したのも興味深い。これからの日本人デザイナーの方向性を示したという点でも大きなことだと思っています。
―もし相澤さんにオファーが来ていたら、受けていました?
もちろん。そんな光栄なオファー、断るデザイナーいないと思う。


―この若手いいな、っていう人はいますか? ファッションに限らず。
僕は音楽が趣味で様々な年代やジャンルを聴くんだけど、所謂日本人のヒット曲も好きで最近はOfficial髭男dism好きだな。とにかく楽曲作りがうまいよね。何ていうか行き当たりばったりではなくてすごく計算されてるし、技術もある。ファッションと似ているんだよね。いくつかの要素をしっかりと自分達で融合するというのが。スピッツやミスチル、サカナクションなんかもそうでしょ。定期的に必ずヒット曲を作れる能力って勢いだけじゃ無理だし、主題歌やCMソングなんかを印象的に作れるのって求められていることを自分が納得した形で成立させないといけないわけで、何となく僕がやってきたヤマト運輸やトヨタの制服の仕事にも似ている気がして、そういった観点で好きだね。


―話がだいぶFigureとずれてきてしまったんで、ここで一旦戻して…相澤さんが考える静岡の魅力とは?
海も山もあって、東京などの都市にも近い。僕が目指し続けているアウトドアとファッションの融合が当たり前にある街だと思います。あと、東名高速道路が好きで、景色が綺麗だし、気分転換で御殿場から富士山にドライブよく行く。あとはみんなサッカーが好きなところかな。合わせて言っちゃえば、コンサドーレの試合なら磐田まで車で行くよ。


―国内外問わず、街好きな都市はありますか?
ファッション的な視点だったら、ミラノが1番好き。<MONCLER>や<HUNTING WORLD>、<LARDINI>などの仕事で多分50回以上行っていますが、仕事をする上で一度も差別的な扱いをされたことがない。イタリアだと仕事が終わるといつも現地スタッフと飲みにいったりすることが多くて楽しいよ。ファッションとしての歴史もあるし、食事も美味しい。人もみんなフランクで大好きな街です。アウトドアをベースとしたブランドも多いし、サッカーも盛んだしね。


―コロナ後のファッションってどうなると思いますか?
悲しいけど少なくとも、今までよりもファッションの優先順位は低くなってしまうとは思っています。今までのパリコレクションのようにスタイルだけを見せるというのは優先順位が低くなるんじゃないかな?ただ単に洋服を着て、かっこいいということよりも、何のためにその洋服を着るのか?という意味みたいなものに価値が出てくると思っています。快適に過ごしたり、動きやすかったりといった洋服が持っている意味というね。そこの上にファッションとしての可能性がある。それこそ自己を満足させたい人なんじゃないかな。そして<White Mountaineering>みたいなブランドは、そんな究極の自己満を求める人のためのものになって行きたい。そう感じています。


―コロナの影響もあり、2021秋冬のコレクションはランウェイではなくムービーで公開しています。雪山での壮大な撮影でしたが、奇しくもそのおかげで<White Mountaineering>の機能的な側面が強調されたような気がします。その辺りはどう捉えていますか? また今後もムービーの製作は続けていきますか?
確かに。雪山でランウェイショーは開けないからね。それには僕らなりの新しい意義があったと僕も感じています。自分たちが作っている服は素材にGORE-TEX®を使っていたり、中綿にプリマロフトを使っていたりして、機能面に重要な要素が詰まっている。またパターンメイキングにこだわることで動きやすさも追求しています。そういうクオリティのものを作っているっていう事をきちんとお客様に伝える上で、ムービーは新しい可能性を広げてくれた気がします。僕らが作っている洋服が、どういうことについて考えられていて、どんな意味のある服なのか。これを機に、その表現方法はこれからも追求していきたいと思っています。